田中 誠一澄白河の路地裏に間口3メートルの小さな店を開いたのは2019年の春でした。それまで10年間、大手コーヒーチェーンの焙煎部門で働いていた田中 誠一、大量生産の焙煎ラインに限界を感じ、自分の手の届く範囲で豆と向き合いたいと思うようになりました。最初の半年は焙煎機も中古の小型機で、週に2回しか焙煎できませんでした。それでも、近所の人が毎朝来てくれるようになり、店は少しずつ根を張っていきました。
2020年の春、パンデミックで店内営業ができなくなったとき、田中 誠一ターの奥の壁に地元の写真家・橋本 彩の作品を貼り始めました。テイクアウトで来るお客さんが立ち止まって写真を見ていく。その光景が、Quay Blendfieldをコーヒーだけの場所にしない、という考えの出発点になりました。翌年からは音楽家や版画家を招いたイベントを定期的に開催するようになり、今では清澄白河のカルチャーシーンの小さな拠点として機能しています。
田中 誠一京・墨田区出身。大学卒業後、大手コーヒーチェーンの焙煎部門に入社し、10年間にわたって大規模焙煎ラインの管理を担当した。2018年、コロンビア・ウイラ産農家との直接取引を試みたことをきっかけに、小ロット焙煎の可能性に目覚め、翌2019年に清澄白河でQuay Blendfieldを開業。休日は荒川沿いをランニングするのが習慣で、週に4〜5回走る。「豆と向き合う時間と、走る時間は似ている。どちらも、急いでも意味がない」と話す。